治療料金の考え方
歯科治療=オーダーメイド。料金も個別に変わります
歯科のカルテが個人の識別情報たりうる-----このことは、ニュース等で見聞きしてご存じの方が多いのではないでしょうか?それほどまでに、歯やあごなどお口元の形状は個人差があるもの。抜歯ほか歯科の治療歴などを含めれば、「一人として同じ歯の人はいない」と断言できます。
このように個性豊かな「歯」。この治療に関し、トータルコストが一律である仕組みがあるとすれば、不自然と言わざるを得ません。
当院が料金表に掲載しているのは、矯正治療に発生しうる個別のパーツとその料金です。この料金設定にあたっては、国立大学附属歯科における治療料金体系をベースにしています。そして、患者様個々の治療料金の総額については、個別にお口の状態を拝見しなければ、およそ回答できるものではないのです。
この際に患者様のご希望およびお口の状況を拝見し、考えられる治療方法、装置やおよその費用についてもご説明させていただきます。
専門的治療とコストの関係
治療器具・材料購入代金+歯科技工士の技工料金+医師の技術料+治療にかかる時間
=あなたの矯正治療料金
上記のようにお考えいただければ、わかりやすいのではないでしょうか。
治療機器や材料が高品質なものであれば当然治療料金にかかってきます。歯科技工士についても熟練の技工士・技工所に依頼すれば、料金は上がりますが、品質も上がります。逆もまたしかり・・・。
また矯正にあたる医師についても、矯正技術は、一般歯科治療のみの場合に比べ専門知識や技能の習得に時間がかかります。知識と訓練を積んだ専門医になるまでには時間とコストがかかっていますから、矯正専門医が責任をもって診療にあたる歯科医院においては、専門知識と技術への対価として、適正なコストが発生するのが通常です。
また、どこの機関で訓練を積んだかも重要で、それにより同じ矯正専門医でも知識や技術に大きな差異が生じるのは当然のことなのです。
安さにも高さにもワケがある…そうお考えいただいて差し支えないでしょう。
検査にも料金が必要なの?
矯正治療を開始するにあたって、重要なことの一つに、検査とその結果の検討があります。
矯正治療は一般的な虫歯の治療などとは異なり、あごの骨の状態にまでかかわる大きな治療。いわば大きな工事のようなものと言えるかもしれません。大工事をする際に何より大切なのは設計や構造です。矯正歯科治療にあたっても、歯の土台となるあごの状態をよく調べ、そして、完成した時のあごや歯の状態を明確にイメージしてから取り組まなければ、せっかくの矯正治療が、良くない結果を生む可能性も大です。
当院では新しい歯科用CTを導入し、専門的見地から矯正治療の方針をご提案しています。
検査についてご不明の点がありましたら、初回カウンセリングで何なりとお尋ねください。ご納得いただけるように丁寧にご説明をさせていただきます。
あなたの大切な歯。安かろう…で大丈夫?
矯正治療を受けるのは、基本的には一生に一度きり。
そのためご自身や周囲に情報が少なく、歯科医院の選択に迷われるのも当然です。
さまざまな選択肢の中で明確に言えるのは「矯正専門の歯科医院、歯科医師を選んでください」ということです。日頃かかられている一般歯科に矯正をご相談なさるのももちろん有益ですが、一般歯科医院では「矯正歯科」を標榜していても矯正専門医が来るのは月に1,2回で、急用ができてしまったり体調が悪くなった場合の予約の変更や、装置がとれてしまったりワイヤーが当たって痛くなった時のトラブルの対処に十分な対応ができるとは思えません。
本当にその人に矯正が必要なのか、矯正するとすればどのような方法が最適なのか…最終的な総合判断はぜひ矯正歯科医院をお訪ねいただきたいと思います。
そして、矯正をうたってはいるものの日本矯正歯科学会認定医がいないなど矯正専門歯科ではない、料金は安いけれどもその根拠がハッキリしないところは避けたほうが賢明でしょう。たとえば「材料の大量仕入れでコストを抑えている」などの理由を述べる矯正歯科医院もありますが、矯正治療は大量に発生するものではありません。材料も個別性が高く、一度に仕入れることで安くなるとはおよそ考えられません。
治療が完了して、美しく健康な歯並び、かみ合わせを手に入れることが矯正治療の目的です。
信頼のおけない治療を「トータルで安いから」という理由で選ぶのが、一生を通じて見た時に、本当に「安い買い物」なのかどうか…ぜひよくお考えの上、一度、当院へご相談にお越しいただければと思います。